2023年6月以降に公開されたInDesign CC(2023)およびIllustrator CC(2023)由来のPDFにて、以下のトラブルが報告されています。
【症状】
- FACILISにて面付け後のPDFで、所々にデータに抜けが発生する(一部抜け・ページ全体が白紙になる等)
※FACILISのバージョン・OS(Mac/Win)に関係なく発生します - InDesign CC(2023)18.4~18.5.1にて作成されたPDFで発生 2023/11/14追記
- InDesign CC(2024)19.0~19.3にて作成されたPDFで発生 2024/3/29追記
※InDesign CC(2024)19.4は問題ない事を確認しました 2024/7/22追記 - Illustrator CC(2023)27.8、27.9にて作成されたPDFで発生 2023/9/14追記
- Illustrator CC(2024)28.1、28.2、28.3、28.4、28.5にて作成されたPDFで発生 2024/7/22追記
【原因】
面付け前のPDFに記述の欠落があることが原因です。
【対処】
以下いずれかの対応で出力可能となります。
■アプリケーション側での対処
- InDesign CC(2023)18.3以下のバージョンでPDF書き出し
- Illustrator CC(2023)27.7以下のバージョンでPDF書き出し 2023/9/14追記
Creative Cloud Desktopアプリケーションを利用することで下位リビジョンのアプリケーションの再インストールが可能です。
※アンインストール後、再インストールすることになります。
参考リンク:Adobe社
Creative Cloud デスクトップアプリのダウンロード
以前のバージョンの Creative Cloud アプリのインストール
■データ側での対処
Adobe社ソフトのバージョンを下げることが難しい場合、データの対処が必要になります。症状が解消した事例をご紹介しますので、データの状況により適時対処をお願いいたします。
なお、面付前のPDFデータのページ数・データ容量が多い場合、Acrobatで問題のページのみあらかじめ抽出することで処理時間を短縮することができます。
- 面付前のPDFデータをAcrobat DC ProにてPDF最適化処理を行う
- 面付け前のPDFを開き、メニューバー[ファイル]>[その他の形式で保存]>[最適化されたPDF]をクリックします。
- PDF最適化画面の左側のチェックボックス(画像〜最適化)を全て外します。
※PDF1.3で透明のチェックボックスが外せない場合はチェックボックスオンのまま「高解像度」を選択します。 - 画面右上の「互換性を確保」は「既存を保持」を選択します。
- 「OK」ボタンをクリックし、別名で保存します。
- FACILISを起動し、データを差し替えて面付けを行います。
- 面付前のPDFデータに修正を加えて保存する
前述のPDF最適化も該当しますが、データに修正を加えてPDFの書き出しを行うことで解消する事例が報告されております。- 左上の[ツール]>[印刷工程]>[プリフライト]>[PDF/X]項目>[PDF/X-4(Japan Color Coated)に変換]
※高解像度の画像が含まれる場合、画質が低下する可能性があるためご注意ください - 左上の[ツール]>[印刷工程]>[プリフライト]>[PDFフィックスアップ]項目>[フォントをアウトラインに変換]
- AdobePDFプリンタで再出力する(Windows版のみ)
- 左上の[ツール]>[印刷工程]>[プリフライト]>[PDF/X]項目>[PDF/X-4(Japan Color Coated)に変換]
- 面付前のPDFの書き出し条件を変更する
- Illustrator・InDesignの別名保存(書き出し)時に表示される「AdobePDFを保存」画面の保存条件を変更する
- ページ物のPDF書き出しの場合、問題のページのみ個別にPDF書き出ししてFACILISでそのページのみ差し替える
- Illustrator・InDesignの別名保存(書き出し)ではなく、[ファイル]>[プリント]でAdobePDFプリンタ経由でPDF書き出しを行う(Windows版のみ)
- AI・INDDファイルが手元にない場合、Illustrator・InDesignで新規作成後、PDFデータの問題のページのみリンク配置してPDF保存を行う